ATAカルネ通関について(海外発行の場合)

ATAカルネ通関(海外発行)

海外発行ATAカルネ通関について

ここでは海外発行のATAカルネ手帳を扱う方は、ATAカルネ手帳のホルダー(持ち主)もしくはATAカルネ手帳に記載されている商品の取り扱いを依頼された方、手荷物では運べない貨物が対象になります。

一般的には、日本に到着した商品を輸入手続きをし、使用後に日本から海外へ輸出するまでのお取り扱いになります。

 1.ATAカルネとは 

ATAカルネとは、「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)」に基づく通関用書類のことです。

ATAカルネ手帳を使用することにより、職業用具、商品見本などの物品を外国へ一時的に持ち込む場合、外国の税関で免税扱いの一時輸入通関が手軽にできる通関手帳です。

また外国への輸入税支払いや保証金の提供が不要となる支払い保証書であり、一通のATAカルネ手帳で異なる複数の国の税関で使用できる大変便利な手帳です。

 2.ATAカルネの『輸入』手続き

航空輸送の場合のカルネ輸入通関を解説します。

✍必要書類

  • ATAカルネ手帳(通常AWBに付属されています)
  • 貨物明細書(価格がわかるもの)
  • パッキングリスト
  • 日本での使用者の名刺(ATAカルネ手帳に記載されている商品の取り扱いを依頼された方)
  • 委任状(ATAカルネ手帳のホルダーから、アクセス・ジャパン株式会社(通関会社)にカルネ通関を委託する旨を記したもの。フォーマットは自由)

✍確認事項

  • 使用目的
  • 使用場所名(東京ビッグサイトなど)
  • 使用場所住所
  • 使用期間
  • 再輸出予定日
  • 再輸出予定地(国)
  • 貨物の詳細がわかるもの(カタログなど)

✍税関へ申告

確認事項及びHSコードをカルネ手帳に記載し、通関業者の印と通関士のサインをし、税関へ申告します。

税関で審査が完了し許可が降りると、ATAカルネ手帳を1ページ税関で保管し、残りを返却してくれます。

返却されたATAカルネ手帳は、輸出の際に使用するので厳重に保管します。

以上で内国貨物となり、保税蔵置所から引き取ることができます。

 3.ATAカルネの『輸出』手続き

航空輸送の場合のカルネ輸出通関を解説します。

✍航空機のスペース確保(ブッキング)

海外へ輸出するためには、航空機のスペースを確保(ブッキング)しなければなりません。

ブッキングに必要な要件は下記のとおりです。

  • 貨物の詳細がわかるもの(カタログなど)
  • 個数・重量・サイズ
  • 出発空港(成田空港など日本の国際港)
  • 到着空港(海外)
  • 海外で輸入する方もしくは法人の情報
  • 出発予定日

以上の情報でブッキングが可能です。

航空運賃は輸出先や、直行便・経由便によっても料金が変わります。

お問い合わせは こちら

✍必要書類

  • ATAカルネ手帳
  • 貨物明細書(価格がわかるもの)
  • パッキングリスト
  • 日本での使用者の名刺(ATAカルネ手帳に記載されている商品の取り扱いを依頼された方)
  • 委任状(ATAカルネ手帳のホルダーから、アクセス・ジャパン株式会社(通関会社)にカルネ通関を委託する旨を記したもの。フォーマットは自由)

✍確認事項

貨物の詳細がわかるもの(カタログなど)

✍税関へ申告

確認事項及びHSコードをATAカルネ手帳に記載し、通関業者の印と通関士のサインをし、税関へ申告します。

税関で審査が完了し許可が降りると、ATAカルネ手帳を1ページ税関で保管し、残りを返却してくれます。

返却されたATAカルネ手帳をAWBにアタッチし、貨物と一緒に出荷します。

 4.使用例 

基本的には、日本国に輸入後確実に再輸出する商品になります。

  • コンサート機材(LEDディスプレイ・ステージ機材等)
  • 楽器(高額なバイオリン、ピアノ等)
  • オリンピック、パラリンピック関係(海外メディアのカメラ・ステージ機材等)
  • 展示会用品(高額な工作機械・作業器具・展示機材・商品見本品)

など。

 5.注意点 

便利なカルネ通関ですが、注意点があります。

✍カルネを使用できる国・地域

カルネはATA条約加盟国の間でのみ使用できます。

加盟国でない場合は使用できませんので、ご注意ください。

ATA条約加盟国はこちら

✍カルネの使用が認められている状況

ATA条約には3つの国際条約で構成されています。

・商品見本条約

・職業用具条約

・展覧会条約

3条約すべて加盟している国もあれば、1条約にしか加盟していない国もあります。

ATA条約加盟国であっても、使用用途によってはカルネを使用できない場合があるので、注意が必要です。

国別の使用状況はこちら

✍カルネには有効期限がある

有効期限は1年間です。

有効期限日までに一時輸入国からカルネを使用して物品を全量再輸出しないと、輸入税等が課せられます。

✍何にでも使えるわけではない

輸出・輸入が禁止されているものには使用できません。

❏輸出が禁止されているもの

  1. 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤
  2. 児童ポルノ
  3. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権を侵害する物品
  4. 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品

❏輸入が禁止されているもの

  1. 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
  2. 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
  3. けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
  4. 爆発物
  5. 火薬類
  6. 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
  7. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
  8. 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
  9. 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
  10. 児童ポルノ
  11. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
  12. 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品

※詳しくは税関ホームページ

カルネ手帳は大変便利なツールです。

使用方法に気をつけて利用しましょう。

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