冷凍食品の輸入方法

冷凍食品陳列棚

忙しい日々の中での食事やお弁当の支度は時間と手間が掛かり、とても大変ですよね。

そのような時には温めたらすぐに食べる事が出来る【冷凍食品】を活用されている人も少なくないのではないでしょうか。

最近では冷凍技術が進化し多種多様な冷凍食品がスーパーの冷凍コーナーに並んでいます。

そんな手軽で便利な冷凍食品の輸入の流れについてご紹介いたします。

 1.冷凍食品とは 

冷凍食品とは、製造し、又は加工した食品(*1)及び切り身又はむき身にした鮮魚介類(生かきを除く。)を凍結させたものであって、容器包装に入れられたものをいいます。
*1:清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品、魚肉ねり製品、ゆでだこ 及びゆでがにを除く。

その中でも今回は製造し、又は加工した冷凍食品を解説します。

 2.輸入前に確認すること 

✍製造工程表及び原材料表の確認

冷凍食品は様々な原材料、添加物を使用している場合があります。

製造工程や使っている原材料によっては、日本に輸入できない場合があります。

例えば、製造工程で殺菌に放射線を使用しているとか、日本で使用できない添加物が含まれているなどなど。

これらの確認は日本に到着してからでは遅く、必ず事前に確認しましょう。

確認は各港の食品監視課輸入相談室にお問い合わせください。

成田空港検疫所 食品監視課 輸入食品相談指導室

東京検疫所 食品監視課 輸入食品相談指導室

✍その他の確認

  • 加熱して食べるものか?加熱をせずに食べるものか?
  • 商品の凍結直前に加熱されたものか?商品の凍結直前に加熱していないものか?

※後述『4.輸入通関「食品等輸入届出」』の規格検査の際に上記の確認が必要になります。

注意!!

もしも事前相談をせずに日本に到着し、輸入ができないと判明した場合、「積戻し(返送)」もしくは「滅却(廃棄)」となってしまいます。

輸入できない上に、費用をかけて「積戻し(返送)」や「滅却(廃棄)」をするのはもったいないので、面倒臭がらずに必ず事前相談を受けましょう。

アクセス・ジャパンでは事前相談のサポートも致します。

お問い合わせは こちら

 3.必要書類 

一連の手続きに必要な書類は次のとおりです。

書類名 書類作成者等
製造工程表 製造工場が作成(※)。
原材料表 製造工場が作成(※)。
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
AIR WAYBILL(AWB) 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。
SEA WAYBILL 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。
ARRIVAL NOTICE 海上輸送の場合、輸送船が到着する直前に日本の船会社が発行。
食品等輸入届出済証 日本の厚労省食品監視課が発行。

※製造工程表及び原材料表は、製造工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。

 書類の修正などが発生した場合、現地工場に修正を求めるよりも、輸入者自身で作成したほうがスムーズに進む場合があります。

 4.輸入通関「食品等輸入届出」 

人の口に触れる商品となりますので輸入する場合は厚労省の食品監視課に対して「食品等輸入届出」が必要になります。

✍食品等輸入届出の申請に必要な書類

書類名 書類作成者等
製造工程表 製造工場が作成(※)。
原材料表 製造工場が作成(※)。
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。

※製造工程表及び原材料表は、製造工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。

 書類の修正などが発生した場合、現地工場に修正を求めるよりも、輸入者自身で作成したほうがスムーズに進む場合があります。

✍食品等輸入届出

上記の書類をもとに《食品等輸入届出書》を作成し、食品監視課へ申請します。

食品監視課は申請内容を確認すると「規格検査(自主検査)」を受けるよう指導をする場合があります。

食品監視課より規格検査(自主検査)の指導を受けた場合、規格検査(自主検査)を実施しなければなりません。

指導内容に検査項目は記されており、検査項目に応じた検査を実施します。

※規格検査項目は次項で解説します。

✍規格検査

初めて商品を輸入する場合には食品衛生法で定められた規格検査を実施し、 日本の規格基準を満たしている事を証明する必要があります。

❏見本持出

冷凍食品は検体をサンプリングし、検査機関へ輸送する必要がありますが
保税蔵置場に蔵置されている貨物の持ち出しは税関の許可が必要です。

そこで、サンプリング前に「見本の一時持ち出しの手続き」をします。

税関長へ《見本持出許可申請書》を提出し許可を得ることで持ち出すことができ、サンプリングを進めることができます。

※一時持ち出しされた見本は、原則として、税関長の指定する期間内に保税地域に戻す必要があります。
しかし、その指定期間内に持ち出された見本と保税地域に残っている外国貨物とを一括して輸入の許可を受けた場合においては、保税地域に戻す必要はありません。

❏検査のためのサンプリング

サンプリングは保税蔵置場で行ないます。

保税蔵置所スタッフ立会いのもと、第三者検査機関のスタッフが蔵置してある商品から必要数量を抜き取ります。

抜き取られた残りは、通関が許可になるまで引き続き保税蔵置場にて蔵置されます。

サンプリングされた商品は検査機関の施設に持ち込まれ、検査を実施します。

検査期間目安は採取日から中2日間です。

❏規格基準

冷凍食品は製造方法により規格基準が異なります。

▶無加熱摂取冷凍食品

冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、飲食に供する際に加熱を要しないとされているものをいう。

●検査項目及び規格基準

細菌数(生菌数):100,000/g以下
大腸菌群:陰性


▶加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱)

加熱した後に摂取する冷凍食品(※)であって凍結させる直前に加熱されたものをいう。
※冷凍食品:冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。

●検査項目及び規格基準

細菌数(生菌数):100,000/g以下
大腸菌群:陰性


▶加熱後摂取冷凍食品(凍結直前未加熱)

加熱した後に摂取する冷凍食品(※)であって凍結させる直前に加熱されたもの以外のものをいう。
※冷凍食品:冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。

●検査項目及び規格基準

細菌数(生菌数):3,000,000/g以下
E.coli:陰性

❏検査結果

検査の結果、各検査項目ごとに定められた規格に適合していると確認が取れた場合は 検査機関から《輸入食品等試験成績証明書》が発行されます。

次回より、この《輸入食品等試験成績証明書》を使用することにより、同一の製品は規格検査(自主検査)を受ける必要がなくなります。

※冷凍食品に関する《輸入食品等試験成績証明書》の有効期限は1年間です。

✍食品監視課の審査

検査結果を食品監視課に提出し、審査を受けます。

申請内容・審査結果に問題がなければ《食品等輸入届出済証》が発行されます。

ここまでが「食品等輸入届出」の作業になります。

次回より、同一の商材に関しては規格検査(自主検査)は不要で「食品等輸入届出」のみで輸入通関をすすめることができます。

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 5.輸入通関「税関申告」 

✍HSコード・関税

商材により、HSコード・関税率は異なります。

原材料表等をもとに確認しますので、通関ご依頼時にお問い合わせください。

✍輸入通関に必要な書類

書類名 書類作成者等
製造工程表 製造工場が作成(※)。
原材料表 製造工場が作成(※)。
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
AIR WAYBILL 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。AWBとも言う。
SEA WAYBILL 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。
ARRIVAL NOTICE 海上輸送の場合、輸送船が到着する直前に日本の船会社が発行。
食品等輸入届出済証 日本の厚労省食品監視課が発行。

※ 製造工程表及び原材料表は、製造工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。

✍税関へ申告

上記の書類をもとに《輸入申告書》を作成し、必要書類を添えて税関へ申告します。

審査が終了し輸入関税・消費税を支払うと輸入許可となり貨物を引き取ることができます。

弊社へご依頼いただいた際には、納品まで責任を持って対応致します。

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 6.まとめ 

冷凍食品を初めて輸入する場合には、必要書類の準備や加熱の有無やタイミング等を確認し製造方法に沿った規格検査が必要となります。

食品ですので輸入許可までに少々お時間は掛かりますが、弊社がサポートさせていただきます!

また、進め方に不安や不明点がある方は国際物流コンサルティングサービスをご検討ください。

アクセス・ジャパンではその不安を一緒に解消しつつ、輸入貿易を成功に導くノウハウをお伝えします。

まずは無料のヒアリングから行いますのでお気軽にご相談ください。

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