用語集(さ行)

 さ 

最恵国待遇【MOST FAVORED NATIONS TREATMENT】[2019/07/09]
WTO加盟国が、いずれかの国に与える最も有利な待遇を、他のすべてのWTO加盟国に対して与えなければならないという原則のこと。
WTO協定の基本原則の1つ。

サーキュラーエコノミー【CIRCULAR ECONOMY】(循環型経済)[2020/07/30]
廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのこと。
従来のリニア型経済のなかで活用されず廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源として捉える。

サーチャージ【SURCHARGE】[2019/10/11]
割増運賃のこと。
貨物の形状、港湾事情、経済事情等の理由によって運送原価が高くなる特殊貨物や特定港向け貨物に課せられる。
BAFCAFはその一種。

サードパーティー・ロジスティクス【THIRD PARTY LOGISTICS】(3PL)[2020/02/06]
顧客の物流全体を一括して請負い最適化・効率化を実現するサービスのこと。
保管、配送、輸出・輸入等を含むトータルサービス。

サーマルリサイクル【THERMAL RECYCLE】(熱回収)[2020/03/09]
廃棄物を焼却処理した際の熱をエネルギーとして回収・利用すること。
廃棄物処理から得られる熱エネルギーはごみ発電や施設の暖房・給湯、温水プール、地域暖房等に利用される。
サーマルリサイクルは、リユースやマテリアルリサイクルを繰り返した後でも可能であるため循環型社会基本法では原則として、リユースやマテリアルリサイクルがサーマルリサイクルに優先することとされている。

環境省による循環型社会の形成に向けた法制度の施行状況はこちら↓
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h26/html/hj14020302.html

循環型社会形成推進基本法はこちら↓
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=412AC0000000110

サプライチェーンマネジメント【SUPPLY CHAIN MANAGEMENT】(SCM)[2019/06/05]
原材料の調達(流通の川上)から商品が消費者に渡るまでのモノ、金、情報を総合的に捉え、全体最適化を図る経営手法のこと。

 流通の川下から最適化を図る手法としてデマンドチェーンマネジメントがある。

サーベイヤー【Surveyor】(第三者検査員)[2020/08/25]
海事鑑定業や国際流通貨物関連の検定業をつうじて、国際貿易の発展に資することを目的にした社団法人のこと。
積込みや荷卸時にサーベイヤーが立ち会い指導をした結果、荷役ダメージが改善されることがある。
また船舶事故が発生した際に保険会社から派遣され、損害見込額や事故の経緯を調査することもある。

三国間貿易(さんごくかんぼうえき、仲介貿易)[2020/07/02]
貨物が日本を経由せず、日本以外の複数の外国間において貨物が移動する取り引きのこと。

暫定税率(ざんていぜいりつ)[2023/12/11]
政策上の必要性等から、基本税率を暫定的に修正するため、一定期間に限り適用される税率のこと。

三類倉庫[2020/04/02]
防火、耐火性能に加え、防湿性能も不要である倉庫のこと。
燃えにくく、湿気にも強い貨物が保管される。

 し 

仕入税額控除(しいれぜいがくこうじょ)[2020/08/13]
課税売上にかかる消費税から、課税仕入にかかる消費税を控除すること。
課税事業者は課税売上から課税仕入を差し引いた分に相当する消費税額を納税する義務がある。

事後調査(じごちょうさ、じごちょう)【POST CLEARANCE AUDIT】[2019/03/26]
◯輸入にかかる事後調査
 輸入貨物の通関後に、税関が行う税務調査のこと。
 輸入された貨物について納税申告が適正に行われていたかを確認する。
 申告が不適切であった場合は是正し、輸入者に対して適切な申告指導を行うことで適正な課税を確保することを目的としている。

調査は輸入者の事業所等を個別訪問し、輸入貨物についての契約書、仕入書その他貿易関係書類や会計帳簿等を調査する。
必要に応じて取引先等についても調査を行い、納税申告の内容が適切かどうかを確認する。
事後調査を行う権限は税関職員の権限として、関税法第105条第1項第6号に規定されている。

◯輸出にかかる事後調査
 輸出貨物の輸出許可後に申告内容が適切であったかどうかについて、企業等を訪問する等して、
 輸出者、通関業者、輸出の委託者その他関係者に対して質問や帳簿書類の調査をすること。
 輸出にかかる事後調査を行う権限は税関職員の権限として、関税法第105条第1項第4号の2に規定されている。

関税法はこちら↓
電子政府の総合窓口【e-Gov】

自主検査(じしゅけんさ)[2023/11/02]
指導検査とも言う。規格基準の有無、農薬や添加物等の使用状況及び同種の食品等の法違反情報等を参考として、輸入者の自主的な衛生管理の一環として、国が輸入者に対して定期的な(初回輸入時を含む)実施を指導する検査のこと。
検査は他にも「命令検査」「モニタリング検査」「行政検査」がある。

事前教示制度【Advance Ruling】[2019/03/28]
輸入者その他関係者が、あらかじめ税関に対し輸入を予定している貨物の関税率表上の所属区分(税番)、関税率、課税標準等について照会を行い、税関からその回答を受けることができる制度のこと。
原則として、文書により照会を受け文書で回答することにより行われ、文書回答については、当該照会に係る貨物の輸入申告(納税申告)の審査の際に尊重される。

実運送人【ACTUAL CARRIER】[2019/02/25]
自ら輸送手段(船、航空機)を所有して仕出地の港から仕向地の港までの実際の輸送を受け持つ業者のこと。
船会社および航空会社のこと。

実用新案権[2019/08/06]
自然法則を利用した、技術的思想の創作であり、物品の形状、構造または組み合わせに係るものを保護するための権利のこと。
形状等に係るものであるため、方法に係るものは対象とならない。また、特許権とは異なり高度であることは問われない。
権利期間は出願から10年である。

指定保税地域【Designated Bonded Area】[2019/03/06]
保税地域の1つ。
国や都道府県、市等の地方公共団体などが所有や管理をしている土地建物など公共的な施設について、財務大臣が指定して設置される保税地域のこと。

死の谷【VALLEY OF DEATH】[2020/04/28]
開発ステージと事業化ステージの間に存在する障壁のこと。
生産ラインや流通経路などの確保のため、開発段階を上回る資源や資金を投入することになるため
落ちれば死ぬほどの深い谷にたとえられる。
研究開発から産業化までの過程において乗り越えなければならないとされる三つの障壁の内の一つ。

シーバース【Sea berth】(海上係留荷役施設)[2019/09/30]
巨大なタンカーや喫水が深く港に接岸しづらい船舶等が、水深のある沖合いで荷揚げを行うための桟橋のこと。
原油やLNGなどを積んだ船舶等により利用される。

重加算税【Heavy additional duty】(じゅうかさんぜい)[2019/04/12]
過少申告加算税または無申告加算税の基礎となる税額に関して、全部または一部を隠蔽または仮装した場合、隠蔽または仮装に係る部分についてこれらの加算税に代えて課される附帯税こと。

通常の加算税より重い負担を課すことで悪質な事犯を防いで適切な納税申告を確保することを目的としている。
重加算税の割合は、過少申告加算税に代える場合には35%、無申告加算税に代える場合には40%とされている。
これらは関税法第12条の4に規定されている。

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従価税【Ad Valorem Duty】[2019/07/25]
輸入品の価格を基準として関税を課す税率のこと。
輸入品の価格に比例して関税負担がかかるため、輸入品の価格変動につれて関税額も変化しインフレに適応できるなどの長所がある。
しかし、輸入品の適正な価格の把握が困難であることや、輸入品の価格が低くなるほど関税額も低くなるため国内産業保護という機能が薄れるなどの短所もある。

修正申告[2019/04/10]
納税申告(当初申告または修正申告)をした者または関税法第7条の16第2項の規定による決定を受けた者は、納付すべき税額に不足額があるとき、
または納付すべき税額があるにもかかわらず納付すべき税額がないとされたときは、これを修正する申告をすることができる。
関税法第7条の14に規定されている。

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自由貿易協定【Free Trade Agreement】[2019/02/12]
FTA参照のこと

出港前報告制度【Advance Filing Rules on Maritime Container Cargo Information (the Pre-departure filing)】(AFR)[2019/03/18]
海上コンテナ貨物の船積港を当該船舶が出港する24時間前に、詳細な情報を電子的に報告することを義務付ける制度のこと。
対象となるコンテナ貨物は『日本に入港しようとする船舶に積み込まれる海上コンテナ貨物』である。
空コンテナやプラットホームコンテナに積載された貨物は対象外である。

ショアリング【SHORING】[2020/02/12]
木材や角材等を使って貨物を動かないように固定すること。

譲許(じょうきょ)[2019/11/01]
各国がタリフラインごとの関税率についてWTOに登録すること。
譲許された関税率の一覧表(譲許表)は、WTO協定の一部となる。
これにより、登録した各国はすべてのWTO加盟国に対して、
譲許した関税率より高い関税を課すことが禁じられる。

譲渡可能L/C(じょうとかのう エル シー)[2020/06/29]
受益者(売手・輸出者)がL/Cの金額の一部または全部を第三者に譲渡できるL/Cのこと。
L/CにTransferble(譲渡可能)の記載がある場合、一回に限り譲渡が可能となる。

商標権[2019/08/19]
商品またはサービスについて用いる商標に対して付与される独占的排他権のこと。

食品等輸入届出書【Import Notification of Foods and Related Products】[2019/03/12]
食品や食品添加物、食器具、乳幼児向けおもちゃ、容器、食品用包装材および食品製造用機械などの輸入に際して提出する書類のこと。
食品衛生法第27条の規定により輸入申告に先立って検疫所へ提出する。
品目もしくは用途により、届け出を要さない場合もあるので都度、確認を推奨。

食品衛生法はこちら↓
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植物検疫【Plant Quarantine】[2019/02/15]
植物に有害な病害虫の侵入・蔓延を防止するため、輸出・輸入する植物および国内植物について検査・診断・消毒・隔離等を行うこと。
農林水産省の植物防疫所が担当官署である。

・輸入植物検疫:
海外からの病害虫の侵入を防ぐため、植物の種類及び部位ごとに、輸入の禁止、輸出国の栽培地での検査・輸出前措置、日本での輸入検査などを実施している。
植物防疫所による解説はこちら↓
http://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/import/index.html

・輸出植物検疫:
輸出相手国が行っている植物検疫の条件に合致した植物を輸出するため検疫を行っている。
植物防疫所による解説はこちら↓
http://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/export/index.html

植物検疫証明書【PHYTOSANITARY CERTIFICATE】(フォワイトサニタリー サーティフィケイト)[2020/05/28]
輸出国側の植物検疫機関において、輸出する植物が輸出先国の植物検疫の条件に適合しているかどうかの検査に合格した場合に発行する証明書のこと。
輸出者が輸出に際して取得し、輸入者に送付する。

 輸入者は輸入時の植物検疫検査の申請に際して当該証明書を添付する。

ショートトン【SHORT TON】(ST)[2020/08/18]
重量単位であり、アメリカにおけるヤード・ポンド法上のトン(907.184kg)のこと。
他にメトリックトン(MT)ロングトン(ST)がある。

 す 

スイッチB/L(スイッチ ビー エル)[2020/07/28]
船積地で発行されるB/Lに替えて、貨物引き渡し用に発行されるB/Lのこと。
三国間貿易で使用される。
日本の企業の仕入先がA国、販売先がB国にある場合、商品の輸送について日本を経由せずA国から直接B国へ送る事がある。
この際、B国輸入時には日本企業の利益を乗せたB国販売先への販売価格がB/Lに記載されている必要がある。
しかし、この価格をA国で発行するB/Lに記載すると、日本企業の利益が仕入先に漏れてしまう。
この情報流出を防ぐため、A国で発行したB/Lには仕入先から日本企業への販売価格を記載しつつ、B国輸入時にスイッチB/Lを発行する。
スイッチB/Lには日本企業からB国販売先への販売価格を記載する。

また、A国発行のB/Lには仕入先の情報が記載されているため、販売先に対して仕入先情報が漏れてしまうが、スイッチB/Lによりこの情報流出を防ぐことができる。

水面倉庫[2020/04/08]
原木を保管するために使われる倉庫のこと。
水面に木材を浮かべた状態で保管する。

スウェットダメージ[2019/12/24]
温度変化などにより船倉内の水蒸気の凝縮によって生じる損害のこと。
海上からの空気に含まれる水蒸気や穀物などの貨物自体から放散される水蒸気により船倉内は湿度が高くなるため、水蒸気の凝縮が発生しやすい状態になっている。

ステベ【STEVEDORE】(すてべどあ)[2020/10/29]
船内荷役業者のこと。
港湾において本船へ貨物を積み込んだり、本船から貨物を取り下ろす作業をおこなう。

スマート税関構想2020(スマートぜいかんこうそう2020)[2020/07/09]
業務の高度化・効率化の推進と利用者への利便性向上を図り、世界最先端の税関を実現するための中長期ビジョンのこと。
AI等先端技術を活用し税関を取り巻く環境の変化に対応していくこととしている。

税関による解説はこちら↓
https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/smart/index.htm

スルーB/L【THROUGH B/L】[2020/01/07]
2種以上の異なる運送業者によって貨物が最終仕向地まで運送される際に、最初の運送業者によって全運送ルートをカバーするために発行されるB/Lのこと。
積み替えごとに運送契約を締結する手間と費用を省くために用いられる。

 せ 

税関【CUSTOMS】[2019/09/20]
次の3つの目標を掲げ、実現するために機能する財務省の地方支分部局として設置されている機関のこと。

◯適正かつ公平な関税等の徴収
日本の国税収入の約1割を占める関税等の適正な賦課および徴収を確保するため、積極的な情報提供を行い納税環境を整備する

◯安全安心な社会の実現
薬物・銃器・テロ関連物品・知的財産侵害物品等の社会の安全安心を脅かす物品等の密輸出入を効果的に水際で取り締まるため、内外関係機関との連携・情報交換を積極的に行う

◯貿易の円滑化
貿易の秩序維持と健全な発展を目指し、適正な通関を確保しつつ簡便な手続きと円滑な処理お実現するため、手続きやシステム運用等の改善を行う

製造物責任法(PL法)[2019/06/17]
製品の欠陥によって生命・身体または財産に損害を被ったことを証明した場合、被害者は製造会社などに対して損害賠償を求めることができる法律のこと。
消費者に対しては製品の適切な使用および保守を求めるとともに、事業者に対して安全性の確保と向上に努めることを求めている。
輸入貨物については、輸入者がPL法における損害賠償の請求先となる。

消費者庁による詳しい解説はこちら↓
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/

生態系被害防止外来種リスト[2019/03/07]
生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種を選定したリストのこと。
環境省と農林水産省により次のような観点で選定されている。
・侵略性が高く、日本の生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼす又はそのおそれのある外来種
・外来生物法に基づく規制の対象となる特定外来生物未判定外来生物に加えて、同法の規制対象以外の外来種
・国外由来の外来種だけでなく、国内由来の外来種も対象

環境省による詳しい解説はこちら↓
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html

絶滅危惧種[2019/04/22]
絶滅のおそれのある野生動植物種のこと。
環境省レッドリストにおいて次の3つのカテゴリーに掲載されている種を絶滅危惧種としている。
・絶滅危惧ⅠA類:ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種。
・絶滅危惧ⅠB類:ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種。
・絶滅危惧Ⅱ類 :絶滅の危険が増大している種。
         現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来に絶滅危惧Ⅰ類のランクに移行することが確実と考えられる種。

船用品【Ship’s stores】[2019/03/14]
燃料、飲食物その他の消耗品及び帆布、綱、じう器その他これらに類する貨物で、船舶において使用するもののこと。
関税法第2条第1項第9号にて規定されている

関税法はこちら↓
電子政府の総合窓口【e-Gov】

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総合保税地域【Integrated Customs Area】[2019/04/16]
保税地域の1つ。
保税蔵置場保税工場保税展示場に蔵置している輸入手続がまだ済んでいない貨物や輸出の許可を受けた貨物、わが国を通過する貨物について蔵置、加工、製造、展示等の各種機能を総合的に活用できる地域として税関長が許可した場所のこと。

輸入の促進や対内投資事業の円滑化などの動きを背景として、各種の輸入インフラの集積のメリットを助長するため、そのような施設が集積する地域に対応する保税制度として創設された。

相殺関税【Countervailing duty】[2019/05/15]
輸出国において補助金を受けている物品の輸出が、輸入国の国内産業に損害を与えている場合などに、その補助金の額と同額以下で課される割増関税のこと。
WTO協定の規定に基づき関税定率法に定められている。

 関税定率法はこちら↓
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