蘭の苗(フラスコ入り)輸入通関方法

黄色のオンシジューム

蘭は世界に700属以上15,000種もあり独特の形の花を咲かせることから鑑賞価値が高いものが多く、栽培や品種改良が進められています。

一方では絶滅の危機にひんしている種も少なくないことから、ワシントン条約(CITES)で輸出を管理されています。

ここではフラスコ入り蘭の苗の輸入手続きについて説明致します。

 1.蘭の苗(フラスコ入り)とは 

その名の通り、フラスコに入った蘭の苗です。

蘭の種をフラスコ内に撒き、無菌状態のまま発芽させます。

フラスコ内は無菌状態が維持されており、カビの発生などを防ぎます。

外気に触れないので、保存及び輸送に適したパッケージと言えます。

 2.知っておくべきこと 

ワシントン条約

フラスコ入りの蘭のは明らかに人工繁殖であるため、《CITES輸出証明書(*)》は不要です。
*通称:サイテス

しかし蘭のワシントン条約の対象となっており、輸入には《CITES輸出証明書》が必要になります。

蘭の花と苗では必要書類が異なるので、注意しましょう。

✍無菌状態の維持

フラスコ入りの蘭の苗は非常にデリケートです。

フラスコにヒビが入っていると、すぐにカビが生えてダメになってしまします。

また、直射日光に当てないようにするなど、輸送には注意が必要です。

輸入の際には植物検疫検査が必要ですが、輸出国側でも検査が必要になります。

輸出国から輸入国までの輸送は取扱実績のある、かつ信頼の置ける輸送業者を選定するようにしましょう。

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✍温度管理

フラスコに入っているとはいえ、植物なので温度管理が重要です。

蘭は比較的温かい国(台湾・タイ・ベトナム等)で栽培されるので、温度もその国に合わせた温度管理が理想です。

急激な温度変化が品質に影響を与えるため、できるだけ一定の温度で輸送するのが望ましいです。

輸出国側での温度管理、輸入国側での温度管理が必要です。

植物輸送の実績のある国際輸送業者を選定しましょう。

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成田空港は冷蔵庫設備を備えています。

❏温度帯
冷蔵庫:-20℃
冷蔵庫:+5℃
中温庫:+15℃~19℃
定温庫:+1℃~20℃ 他

※植物は一般的には中温庫・定温庫に蔵置します。

※空港によって冷蔵庫設備は異なります。

到着時の気温を考慮し、到着後に冷蔵庫に蔵置するなどの手配が必要になります。

休日に到着した場合などを想定し、年中無休の通関業者を選びましょう。

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 3.必要書類の確認 

一連の手続きに必要な書類は次のとおりです。

書類名 書類作成者等
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
AIR WAYBILL 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。AWBとも言う。
SEA WAYBILL 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。
ARRIVAL NOTICE 海上輸送の場合、輸送船が到着する直前に日本の船会社が発行。
PHYTOSANITARY CERTIFICATE 輸出国の政府機関が発行。輸出者が発行手配。植物検疫証明書。
植物検査合格証明書 日本の農水省植物防疫所が発行。

 4.輸入通関「植物検疫申請及び検査」 

蘭の苗は植物ですので、農水省の植物防疫所への申請及び検査が必要です。

✍植物検疫申請に必要な書類

書類名 書類作成者等
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
AIR WAYBILL 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。AWBとも言う。
SEA WAYBILL 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。
PHYTOSANITARY CERTIFICATE 輸出国の政府機関が発行。輸出者が発行手配。植物検疫証明書。

✍申請及び検査の流れ

上記の書類をもとに《植物検疫申請書》を作成し植物防疫所に申請します。

貨物の搬入確認が完了したら植物防疫所の検査場にて現物検査を受けます。

検査では植物防疫所の植防官が害虫の付着が無いか目視検査をします。

※フラスコの中は土が無く、無菌状態なのでフラスコを開けずに植物検疫の検査をします。

害虫の付着が無い場合は《植物検査合格証明書》が発行されます。

注意!!

検査は到着港で行います。

保税運送はできませんので注意が必要です。

例えば、成田空港経由で福岡空港に輸送する場合、成田空港で苗が止まってしまいます。

成田空港で植物防疫所への申請及び検査を行い、合格すれば福岡空港への輸送を再開できます。

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 5.輸入通関「税関申告」 

✍HSコード・関税 ※2026年1月

❑ランの苗:0602.90-090

  • 基本:FREE

✍輸入通関に必要な書類

書類名 書類作成者等
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
AIR WAYBILL 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。AWBとも言う。
SEA WAYBILL 海上輸送の場合、海外フォワダーが発行。
ARRIVAL NOTICE 海上輸送の場合、輸送船が到着する直前に日本の船会社が発行。
植物検査合格証明書 日本の農水省植物防疫所が発行。

✍税関申告

上記の書類をもとに《輸入申告書》を作成し、必要書類を添えて税関へ申告します。

審査が終了し輸入関税・消費税を支払うと輸入許可となり貨物を引き取ることができます。

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 6.おまけ 

✍苗の取り出し方

フラスコから苗を取り出すとき、注意が必要です。

培地内で根が互いに絡み合っていて、長いピンセット等での苗を取り出すのが難しい場合、ピンセット等で葉を引っ張って出そうとすることは厳禁です。

必ず葉が切れてしまいます。

株の根元を挟んで取り出すことが必要で固くて取り出しできない場合は容器を割って取り出します。

取り出した苗はシャワーで根を中心に培地を洗い流します。

✍ワシントン条約

フラスコ入りの蘭の苗はワシントン条約の対象ではありませんが、蘭の花は対象植物です。

蘭を取り扱う商社として、条約違反をしないために知っておきましょう。

ワシントン条約の確認はこちら

 7.まとめ 

上記のとおり蘭の苗を輸入するためには様々な注意点が存在し、安全に輸入するには正しい知識と手順を知ることが重要です。

進め方に不安や不明点がある方は国際物流コンサルティングサービスをご検討ください。

アクセス・ジャパンではその不安を一緒に解消しつつ、輸入貿易を成功に導くノウハウをお伝えします。

まずは無料のヒアリングから行いますのでお気軽にご相談ください。

コンサルティングの詳細は こちら

■■ ご注意ください ■■

当ページに記載の内容は公開日時点の情報を数多く含んでおり、最新の情報・状況とは異なることがあります。

最新の情報については弊社にお問い合わせください。

 8.よくあるご質問 

Q フラスコ苗を輸入する場合、土付きの植物と同じように厳しい検疫が必要ですか?

フラスコ苗は無菌状態で栽培されているため、通常の土付き植物(甲種検疫)に比べて検査が簡略化される「乙種検疫」の対象となります。ただし、輸入検査そのものが免除されるわけではなく、輸出国の植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)は必須です。

Q フラスコ苗であれば、ワシントン条約(CITES)の対象外になりますか?

蘭の種類によっては、フラスコ入りの実生苗(Seedling)に限りCITESの適用除外となるケースがあります。しかし、種名やハイブリッドの種類によって判断が分かれるため、事前に経済産業省や税関への確認が必要です。

Q 個人鑑賞用として数瓶だけ輸入する場合でも、通関業者への依頼は必要ですか?

個人輸入も可能ですが、植物検疫の手続きや税関への申告は必須です。特に希少種の場合、書類の不備で廃棄処分になるリスクがあるため、手続きに不安がある場合は専門の通関業者へご相談いただくのが安全です。

Q フラスコ苗の輸入にかかる関税率はどのくらいですか?

一般的に、蘭などのフラスコ苗(生きている植物)の関税は「無税」であることが多いです。ただし、輸入消費税(10%)は別途発生します。

Q 輸送中にフラスコ内の寒天(培地)が崩れてしまった場合、検疫に影響しますか?

培地が崩れて苗が汚れてしまうと、検疫官が「無菌状態が維持されていない」と判断し、検査が厳しくなったり不合格になったりするリスクがあります。梱包方法について輸出元と十分に打ち合わせることが重要です。

Q 冬場や夏場の輸入で、苗が枯れてしまわないか心配です。対策はありますか?

航空輸送を利用し、空港到着後は速やかに通関・引き取りを行うことが鉄則です。弊社では、到着から納品までのリードタイムを最小限に抑える「スピード通関」を徹底し、温度変化によるダメージを軽減します。

Q 輸出国の検疫証明書(Phytosanitary Certificate)に不備があった場合、どうなりますか?

記載内容が日本の植物防疫法の基準を満たしていない場合、原則として輸入は許可されませんが、輸出者に連絡をして正しい検疫証明書(Phytosanitary Certificate)を再発行することで検査を再開することができます。

Q 輸入が禁止されている地域や植物はありますか?

はい。病害虫の侵入を防ぐため、国や地域によって輸入禁止品目が指定されています。フラスコ苗であっても、寄生する可能性があるウイルス等の関係で制限があるため、仕入れ前に最新の植物防疫所リストを確認する必要があります。

Q 初めての輸入で、何から手をつければいいか分かりません。代行してもらえますか?

輸出元との書類のやり取りの助言から、植物検疫の申請、税関への申告、国内配送の手配まで一気通貫をご希望の場合、国際物流コンサルティングをご検討ください。

Q フラスコ内の苗が成長してラベルが見えにくくなっていますが、通関に影響しますか?

植物検疫および税関申告では、書類(インボイスや検疫証明書)と現品の内容が正確に一致している必要があります。ラベルの判読不能や、書類に記載のない品種が混入していると、最悪の場合、全量廃棄や積み戻しの対象となります。弊社では、輸出元へのパッキングリスト作成の指示出しや、万が一疑義が生じた際の検疫官への説明・調整も代行し、お客様の貴重な苗を守ります。

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