関税等の修正申告の手続の進め方

輸入者として海外から商品を輸入して商売をされている方は、輸入の際に関税等の税金を納税しています。

輸入者が正しく納税していれば全く問題はありませんが、予期せぬ要因で納税額が不足してしまうことがあります。

この不足分を納税し直すことを修正申告といいます。

ここでは修正申告の例と、手続きについて解説します。

 1.修正申告とは 

修正申告とは過少に税額を申告したため納付すべき税額に不足額が発生した場合、その不足額について行う追加納税申告の事です。

貿易を継続的に行っていると、気が付かない間に過小に納税してしまっていることがあります。

不足していた場合、早急に修正申告を行わなければペナルティが発生してしまいますので、注意が必要です。

ペナルティに関しては次項で解説いたします。

 2.ペナルティ 

ペナルティとは過少申告加算税です。

税関は下記のように定めています。


 税関から調査通知を受けた日の翌日以後に修正申告を行った場合や税関から納めなければならない税金を増額する更正(増額更正)が行われた場合は、修正申告又は増額更正により納めなければならない税金(増加税額)の一定割合の金額に相当する過少申告加算税が課されます。
 過少申告加算税の金額は、税関から調査通知を受けた日の翌日以後、更正予知の前に修正申告を行った場合は、増加税額の5%に相当する金額となります。また、更正予知の後に修正申告をした場合や税関による増額更正を行われた場合は、増加税額の10%に相当する金額となります。ただし、増加税額が当初の納税申告における税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分に相当する金額の5%に相当する金額の過少申告加算税が加算されます。
(注1)調査通知は、税関から輸入者(納税義務者)に対して、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間及び調査を行う旨を通知して行います。
(注2)税関の調査通知を受ける前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。

 また、この増加税額には、延滞税がかかりますので、併せて納めてください。延滞税の金額は法定納期限(通常は輸入の許可の日)の翌日から納付する日まで、納める税金の額に対して年7.3%の税率を乗じた金額になります。
(注)当分の間、延滞税の税率は、「7.3%」と「「前年に租税特別措置法第93条第2項の規定により告示された割合に1%を加えた割合」に1%を加えた税率」のいずれか低い割合となります。(令和2年の延滞税率は、2.6%です。)

 ただし、この率は納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後は年14.6%になります。
(注)当分の間、納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後の税率は、「14.6%」と「「前年に租税特別措置法第93条第2項の規定により告示された割合に1%を加えた割合」に7.3%を加えた税率」のいずれか低い割合となります。(令和2年における納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後の税率は8.9%です。)

参考:税関ホームページ


 3.修正申告の例 

無意識のうちに過少申告になっている場合があります。

以下、心当たりがある場合は要注意です。

  • 例1:輸入申告時に最終決定したINVOICEを提出せず、見積時のINVOICEで申告してしまった。
    最終のINVOICEが見積もり時よりも価格が高い場合、修正申告が必要です。
    PROFOMA INVOICEという記載のINVOICEは、仮のINVOICEの時が多いので要注意です。
  • 例2:航空運賃または船運賃が増加した場合。
    CIFでINVOICEが発行されており、価格に運賃が含まれている状態で、船積み時に重量・容積が想定よりも大きく、追加費用が発生しているにも関わらず、INVOICE価格そのままで申告。あとから追加で運賃が請求されるケース。
    本来加算すべき運賃に不足があるため修正申告が必要です。
  • 例3:評価加算申告漏れ
    日本から無償で資材を提供しているにも関わらず、インボイス価格に加算していないケース。
    日本から無償で提供した資材コストは加算要素です。
    このコストがINVOICEに含まれていない場合、修正申告が必要です。
  • 例4:国際宅急便
    輸出者が税金も含めてすべて負担する場合は要注意です。
    税金を安くするため、購入者に提示したINVOICEよりも価格を安くしたINVOICEで通関する輸出者がいます。
    これは発見するのはかなり難しいです。

過少申告が発覚した際には、まずは通関会社へご相談するのが良いと思います。

※ご相談はこちら

 4.事例A:自主修正 

輸入者が書類記載ミスなどに気づき自主的に修正申告(自主修正)をするケースです。

※自主修正申告の場合、過少申告加算税はかかりませんので間違いを見つけた場合、余計な費用が掛からない為にも早めに弊社にご相談ください。

✍必要書類

  • 輸入許可書
  • 輸入時のINVOICE
  • 輸入時のAWB
  • 本来輸入時に提出すべき正しいINVOICE、運賃明細、加算書類

✍手続きの流れ

  1. まずは輸入申告をした税関に「納税すべき税額が過小になっている」ことを税関に報告。
  2. 正しい書類をもとに仮修正申告書を作成。
  3. 仮の状態で税関の管轄窓口に書類を持ち込み、作成した仮修正申告書に誤りがないかチェックを受ける。
  4. 税関から誤謬がない旨の連絡を受け本申告し税関に修正申告書を提出。
  5. 不足分の税金を納税して完了。

※仮修正申告書は申告した税関窓口まで出向かねばなりませんので、最寄りの通関業者にご相談いただければと思います。

※ご相談はこちら

 5.事例B:事後調査の際に発覚 

輸出入取引を頻繁に行っている業者は、定期的に税関の事後調査が入ることがあります。

その際に納付済みの税額が過少で判断されますと税関による修正申告の指導があります。

✍必要書類

  • 税関から発行される輸入(納税)申告別不足関税等一覧表

✍手続きの流れ

  1. 税関から過少申告の通達が来ます。
  2. 税関から発行される輸入(納税)申告別不足関税等一覧表をもとに仮修正申告書を作成。
  3. 仮の状態で税関の管轄窓口に書類を持ち込み、作成した仮修正申告書に誤りがないかチェックを受ける。
  4. 税関から誤謬がない旨の連絡を受け本申告し税関に修正申告書を提出。
  5. 不足分の税金を納税して完了。

※仮修正申告書は申告した税関窓口まで出向かねばなりませんので、最寄りの通関業者にご相談いただければと思います。

※ご相談はこちら

 6.まとめ 

まじめに納税をしていても、予期せぬ修正申告が発生してしまうことがあります。

たとえ、輸入者自身に自覚がなくても、輸出者側が原因の不可抗力でも、すべて輸入者が責任を負います。

輸入者は正確に納税をする義務があるのです。

税関窓口に出向くなど、意外と手間が発生する手続きですので、まずは通関会社に相談するのが良いかと思います。

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