公開日:2021/01/01 /

輸入者として海外から商品を輸入して商売をされている方は、輸入の際に関税等の税金を納税しています。
輸入者が正しく納税していれば全く問題はありませんが、予期せぬ要因で納税額が不足してしまうことがあります。
この不足分を納税し直すことを修正申告といいます。
ここでは修正申告の例と、手続きについて解説します。
1.修正申告とは
修正申告とは過少に税額を申告したため納付すべき税額に不足額が発生した場合、その不足額について行う追加納税申告の事です。
貿易を継続的に行っていると、気が付かない間に過小に納税してしまっていることがあります。
不足していた場合、早急に修正申告を行わなければペナルティが発生してしまいますので、注意が必要です。
ペナルティに関しては次項で解説いたします。
2.ペナルティ
ペナルティとは過少申告加算税です。
税関は下記のように定めています。
税関から調査通知を受けた日の翌日以後に修正申告を行った場合や税関から納めなければならない税金を増額する更正(増額更正)が行われた場合は、修正申告又は増額更正により納めなければならない税金(増加税額)の一定割合の金額に相当する過少申告加算税が課されます。
過少申告加算税の金額は、税関から調査通知を受けた日の翌日以後、更正予知の前に修正申告を行った場合は、増加税額の5%に相当する金額となります。また、更正予知の後に修正申告をした場合や税関による増額更正を行われた場合は、増加税額の10%に相当する金額となります。ただし、増加税額が当初の納税申告における税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分に相当する金額の5%に相当する金額の過少申告加算税が加算されます。
(注1)調査通知は、税関から輸入者(納税義務者)に対して、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間及び調査を行う旨を通知して行います。
(注2)税関の調査通知を受ける前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。
また、この増加税額には、延滞税がかかりますので、併せて納めてください。延滞税の金額は法定納期限(通常は輸入の許可の日)の翌日から納付する日まで、納める税金の額に対して年7.3%の税率を乗じた金額になります。
(注)当分の間、延滞税の税率は、「7.3%」と「「前年に租税特別措置法第93条第2項の規定により告示された割合に1%を加えた割合」に1%を加えた税率」のいずれか低い割合となります。(2020年の延滞税率は、2.6%です。)
ただし、この率は納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後は年14.6%になります。
(注)当分の間、納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後の税率は、「14.6%」と「「前年に租税特別措置法第93条第2項の規定により告示された割合に1%を加えた割合」に7.3%を加えた税率」のいずれか低い割合となります。(2020年における納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後の税率は8.9%です。)
参考:税関ホームページ
3.修正申告の例
意図せず過少申告になっている場合があります。
以下、心当たりがある場合は要注意です。
- 例1:最終決定したINVOICEではなく、見積もり時のINVOICEで輸入申告してしまった。
最終のINVOICEが見積もり時よりも価格が高い場合、修正申告が必要です。
PROFOMA INVOICEという記載のINVOICEは、仮のINVOICEの時が多いので要注意です。 - 例2:航空運賃または船運賃が増加した場合。
CIFでINVOICEが発行されており、価格に運賃が含まれている状態で、船積み時に重量・容積が想定よりも大きく、追加費用が発生しているにも関わらず、INVOICE価格そのままで申告。あとから追加で運賃が請求されるケース。
本来加算すべき運賃に不足があるため修正申告が必要です。 - 例3:評価加算申告漏れ
日本から無償で資材を提供しているにも関わらず、INVOICE価格に加算していないケース。
日本から無償で提供した資材コストは加算要素です。
このコストがINVOICEに含まれていない場合、修正申告が必要です。 - 例4:国際宅急便
輸出者が税金も含めてすべて負担する場合は要注意です。
税金を安くするため、購入者に提示したINVOICEよりも価格を安くしたINVOICEで通関する輸出者がいます。
これは発見するのはかなり難しいです。
過少申告が発覚した際には、まずはアクセス・ジャパンへご相談ください。
4.事例A:自主修正
輸入者自身が書類記載ミスなどに気づき、自主的に修正申告(自主修正)をするケースです。
※自主修正申告の場合、過少申告加算税はかかりません。間違いを見つけたら、余計な費用が掛からない為にも早めに私たちにご相談ください。
✍必要書類
- 輸入許可書
- 輸入時のINVOICE
- 輸入時のAWB
- 本来輸入時に提出すべき正しいINVOICE、運賃明細、加算書類
✍手続きの流れ
- まずは輸入申告をした税関に「納税すべき税額が過小になっている」ことを税関に報告。
- 正しい書類をもとに仮修正申告書を作成。
- 仮の状態で税関の管轄窓口に書類を持ち込み、作成した仮修正申告書に誤りがないかチェックを受ける。
- 税関から誤謬がない旨の連絡を受け本申告し税関に修正申告書を提出。
- 不足分の税金を納税して完了。
※仮修正申告書は申告した税関窓口まで出向かねばなりませんので、最寄りの通関業者にご相談いただければと思います。
5.事例B:事後調査の際に発覚
輸出入取引を頻繁に行っている業者は、定期的に税関の事後調査が入ることがあります。
その際に納付済みの税額が過少で判断されますと税関による修正申告の指導があります。
✍必要書類
- 税関から発行される輸入(納税)申告別不足関税等一覧表
✍手続きの流れ
- 税関から過少申告の通達が来ます。
- 税関から発行される輸入(納税)申告別不足関税等一覧表をもとに仮修正申告書を作成。
- 仮の状態で税関の管轄窓口に書類を持ち込み、作成した仮修正申告書に誤りがないかチェックを受ける。
- 税関から誤謬がない旨の連絡を受け本申告し税関に修正申告書を提出。
- 不足分の税金を納税して完了。
※仮修正申告書は申告した税関窓口まで出向かねばなりませんので、最寄りの通関業者にご相談いただければと思います。
6.対応できる空港・海港
現在アクセス・ジャパン株式会社では、全国の空港・海港の修正申告の対応が可能です。
- 成田空港、羽田空港、関西空港、セントレア空港、福岡空港、新千歳空港、那覇空港etc
- 東京港、横浜港、仙台港、名古屋港、大阪港、神戸港、門司港、博多港、苫小牧港etc
上記以外の空港・海港での修正申告についてもご相談ください。
※状況によってはご対応ができない場合もありますので予めご了承下さい。
7.まとめ
まじめに納税をしていても、予期せぬ修正申告が発生してしまうことがあります。
たとえ、輸入者自身に自覚がなくても、輸出者側が原因の不可抗力でも、すべて輸入者が責任を負います。
輸入者は正確に納税をする義務があるのです。
税関窓口に出向くなど、意外と手間が発生する手続きですので、まずは通関会社に相談するのが良いかと思います。
■■ ご注意ください ■■
当ページに記載の内容は公開日時点の情報を数多く含んでおり、最新の情報・状況とは異なることがあります。
最新の情報については弊社にお問い合わせください。
8.よくあるご質問
A速やかに「修正申告」を行う必要があります。放置すると、税関の事後調査で指摘された際に「過少申告加算税」などのペナルティが課される可能性があります。自主的に申告すれば加算税はかかりませんので、早めにご相談ください。
A税関から指摘を受ける前に自主的に修正すれば、過少申告加算税は免除されます。しかし、指摘後になると税額の5%〜10%(状況により15%)の加算税がかかるほか、延滞税も発生します。早めの対応がコストを抑える鍵となります。
Aはい、必要です。CIF契約などでインボイス価格に運賃が含まれている場合や、別途支払う運賃が当初の申告額より増えた場合は、納税額が不足するため修正対象となります。
Aはい、「更正の請求」という手続きを行うことで、払いすぎた税金の還付を受けることが可能です。輸入許可の日から原則5年以内であれば請求できますので、一度内容を精査することをお勧めします。
Aはい。日本から無償提供した原材料や金型などの費用は、輸入申告価格に加算しなければなりません。これは事後調査で非常によく指摘されるポイントですので、気づいた時点で早急に修正手続きを行いましょう。
A手続き自体は可能ですが、修正申告書の作成や税関窓口への事前相談・書類持ち込みなど、専門的な知識と手間が必要です。特に「仮修正申告」の段階で税関との細かな調整が発生するため、通関業者へ依頼するのが一般的でスムーズです。
A調査通知を受けた後でも、実際の調査が始まる前(更正予知前)に修正申告を行えば、加算税の割合が軽減される場合があります。まずは現在の申告状況を至急確認し、不足があれば速やかに対応しましょう。
A当初の「輸入許可書」「インボイス」「運賃明細」に加え、修正の根拠となる「正しい価格のインボイス」や「送金控」などが必要になります。弊社で不足書類の確認からサポートいたします。
Aはい、配送業者に関わらず、納税額に不足があれば修正申告の義務があります。特に海外の輸出者が勝手に安くインボイスを記載(アンダーバリュー)していた場合、輸入者が責任を問われるため注意が必要です。
Aもちろん可能です。当時の輸入書類一式をご共有いただければ、弊社にて内容を確認し、適切な修正申告手続きを代行いたします。お気軽にお問い合わせください。
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