2020/12/21
リラックスアイテムとして、CBDオイルが注目されています。
ここではCBDオイルの輸入方法や注意点を解説します。
1.CBDオイルとは
CBDオイルとは大麻草に含まれる生理活性物質(カンナビノイド)の中の一つであるCBD(Cannabidiol/カンナビジオール)を抽出したオイルです。
カンナビノイドは多くの疾患に効果のあることがわかっており、抗炎症作用、抗痙攣作用、抗不安作用、降圧作用などが知られています。
ただし、カンナビノイドには精神作用をもつテトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる成分が含まれており、このTHC成分は日本での使用は禁止されています。
禁止されているTHCは、主に麻の葉に含まれているため、この部位以外(茎・種子)から抽出したものがCBDオイルとして輸入することができます。
2.事前確認
大麻草の成熟した茎又は種子以外の部位(葉、花穂、枝、根等)から抽出・製造されたCBD製品は、「大麻」に該当してしまいます。
大麻草から抽出・製造されたかを問わず、大麻草由来の成分であるTHCを含有するCBD製品は、原則として輸入できません。
✍関東信越厚生局麻薬取締部に確認
対象のCBD製品が大麻取締法の「大麻」に該当するか否かを判断する為、関東信越厚生局麻薬取締部に事前に問い合わせする必要があります。
❏問合せ先
- 対応部署:関東信越厚生局麻薬取締部
- メールアドレス:CHECKCBD@mhlw.go.jp
- メール本文に輸入者の氏名(輸入者が企業の場合は、企業名及び担当者氏名)輸入者の連絡先電話番号を必ず記載してください。
- 容量が大きい添付ファイルについては受信ができないため、容量の大きなファイルは分割圧縮した zipファイルを添付したメールを複数送信してください。
❏添付する書類について
✏大麻草から作られているCBD製品に必要な書類
①証明書:「大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造された CBD 製品であること」を証明する内容の文書
- 書類の作成日
- 製造元の責任者の署名及び肩書き
- 輸入しようとするCBD製品のCBDが大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造されたものであること
②成分分析書:「輸入しようとするCBD製品の検査結果」が記載された分析書
- THC、CBDの分析結果
- 分析日又は分析書作成日
- CBD製品のロット番号等輸入する製品が特定できる番号
- 分析機関の責任者又は分析実施者の署名及び肩書き
- 分析方法及び検出限界値(LOD;Limit of Detection)
③写真:CBDの原材料及び製造工程の写真
<原材料>
- CBDの原材料として、大麻草の成熟した茎もしくは種のみを利用していること(大麻 草の葉、花穂、枝、根等を使用していないこと)を証明する写真
- 原材料の一部分を撮影した写真では、根や枝などが無いことを確認できないため、原材料となる茎などの全体像がわかる写真が必要
<製造工程>
- 大麻草の成熟した茎等を機器に入れている写真や大麻草の成熟した茎等から抽出している写真等(※)
※あくまでも、CBDの原材料として大麻草の成熟した茎もしくは種以外が使われていないかを確認するためのものですので、上記に限定されるものではありません。
※原材料及び製造工程の写真が鮮明でない場合には、確認ができない場合があります。
✏大麻草から作られていないCBD製品に必要な書類
①証明書:「化学合成により得られたCBDを用いて製造されたCBD製品であること」を証明する内容の文書
- 原料となる化学物質
- 合成方法
- 書類の作成日
- 製造元の責任者の署名及び肩書き
- 輸入しようとするCBD製品のCBDが化学合成により得られたものであること
②成分分析書:「輸入しようとするCBD製品の検査結果」が記載された分析書
- THC、CBD の分析結果
- 分析日又は分析書作成日
- CBD製品のロット番号等輸入する製品が特定できる番号
- 分析機関の責任者又は分析実施者の署名及び肩書き
- 分析方法及び検出限界値(LOD;Limit of Detection)
❏添付する書類についての注意
- 書類は全てCBD製品の製造元等から入手してください。
- 書類は全て任意の様式で構いません。
❏結果
関東信越厚生局麻薬取締部からの輸入可否の連絡は、電話もしくはメールになります。
輸入可の連絡がきましたらバッジ番号がもらえますので必ず番号と取得日をお控えください。
3.必要書類
下記、通関に必要な書類一覧になります。
- 上記の関東信越厚生局麻薬取締部に提出した書類一式
- バッジ番号
- インボイス:輸出者が作成
- パッキングリスト:輸出者が作成
- AIR WAYBILL:輸出国側のフォワダーが発行(航空輸送の場合)
- SEA WAYBILL:輸出国側のフォワダーが発行(海上輸送の場合)
- ARRIVAL NOTICE:船会社が着港直前に発行(海上輸送の場合)
- 原材料表:現地工場が作成
- 製造工程表:現地工場が作成(大麻草の成熟した茎又は種子で採取されたものと記載が必要)
4.輸入通関「食品等輸入届出」
CBDオイルを食品として輸入する場合、厚生省に「食品等輸入届出」が必要になります。
※専用用紙、厚生省FAINS登録用紙はこちらからダウンロードできます。
✍食品申請に必要な書類
- 原材料表:現地工場が作成
- 製造工程表:現地工場が作成
- インボイス・パッキングリスト:輸出者が作成
※製造工程表及び原材料表は、現地工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。
書類の修正などが発生した場合、現地工場に修正を求めるよりも、輸入者自身で作成したほうがスムーズに進む場合があります。
✍申請の流れ
原材料表、製造工程表、インボイス・パッキングリストをもとに食品等輸入届出書を作成し厚生労働省に申請をします。
審査に合格すると『食品等輸入届出済証』が発行されます。
使用している原材料から厚生省から自主検査の指導が入る場合があります。
その場合は自主検査を実施し検査の結果が問題なければ『食品等輸入届出済証』が発行されます。
※検査の結果が日本の食品衛生法の基準に満たない場合は積戻し、もしくは廃棄になります。
5.輸入通関「税関申告」
✍HSコード
- CBDオイル:1517.90-900
✍関税
✍輸入申告に必要な書類
- インボイス:輸出者が作成
- パッキングリスト:輸出者が作成
- AIR WAYBILL:現地フォワダーが発行(航空輸送の場合)
- SEA WAYBILL:現地フォワダーが発行(海上輸送の場合)
- ARRIVAL NOTICE:船到着直前に日本の船会社が発行(海上輸送の場合)
- 関東信越厚生局麻薬取締部に提出した書類一式
- バッジ番号と取得日
- 製造工程表:現地工場が作成(大麻草の成熟した茎又は種子で採取されたものと記載が必要)
- 食品等輸入届出済証
上記の書類をもとに輸入申告書を作成し、必要書類を添えて税関へ申告。
審査が終了し輸入関税・消費税を支払うと輸入許可となり貨物を引き取ることができます。
6.大麻の規制について
CBD製品は大麻に由来する商品であり、取り扱いは厳しく制限されております。
意図しない違反をさけるためにも正しい知識を備えておきましょう。
✍大麻取締法における「大麻」とは
- 大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいいます。
- ただし、大麻草の成熟した茎及びその茎から作られる繊維等の製品(樹脂を除きます。)と、大麻草の種子及びその製品は規制対象から除かれます。
- 我が国では、都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者(大麻栽培者・大麻研究者) のみが大麻の栽培、所持、譲受・譲渡等を認められており、大麻取扱者以外の者が これらの行為を行った場合は罰せられます。
- 大麻の輸入は、大麻研究者が研究の目的で、厚生労働大臣の許可を受けて行う場合 にしか行うことができません。
✍禁止行為
- 大麻の輸出入、栽培、所持、譲受・譲渡等は原則禁止されています。
- 違反者に対しては厳しい罰則があります。
⚠罰則⚠
- 栽培/輸出入をした場合:【営利目的】懲役10年以下+300 万円以下の罰金、【営利目的以外】懲役7年以下
- 所持/譲渡譲受した場合:【営利目的】懲役7年以下+200 万円以下の罰金、【営利目的以外】懲役5年以下
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