熱帯魚の輸入方法

2019年まで緩やかに下降傾向ではあったものの、コロナ禍の巣ごもり需要に応えるように少し盛り返していますが、コロナ禍の収束とともに再度下降傾向になっています。

円安により価格と品質が見合わない状況が発生していたり、長年に渡る個人消費の減少が影響しているのかもしれません。

とはいえ、観賞魚に対する需要は一定水準を維持しているようにも見えるので、続いて輸入国割合を見てみます。

金額、匹数共にインドネシアとシンガポールでほぼ半分を占めています。

一口に観賞魚と言っても種類は様々で生産国によっても偏りはあると思いますが、まずは両国の状況（品種や価格、品質等）を調べるのが良いかもしれません。

次に国ごとの推移を見てみます。

輸入観賞魚の大きな割合を占める国なので、全体の推移と似たような形になります。

しかしコロナ禍以降の減少具合は全体の減少具合に比べて緩やかなので、インドネシアに対しては割と安定した需要があるように見えます。

インドネシアについで、多くの観賞魚が輸入されているシンガポールですが、コロナ禍以前から右肩下がりの状況です。

単価が上がっていることも輸入匹数減少の一因かもしれません。

ワシントン条約の附属書にリストされている魚種は一定の制限があります。

特に観賞魚として流通する可能性のある魚種について解説します。

下記の魚種を取扱う際には注意しましょう。

商業目的の国際取引が禁止されています。

商業目的での取引は条件付きで可能です。
条件：輸出国政府が発行する《輸出許可書（CITES Export Permit）》が必要

商業目的での取引は条件付きで可能です。
条件：輸出国政府が発行する《輸出許可書》または《原産地証明書》などの書類が必要

我が国にまん延していない、又は一部でまん延している水産動物の疾病のうち、水産業などに大きな被害をもたらすおそれのある水産動物の疾病（輸入防疫対象疾病）の我が国への侵入・まん延を防ぐため、それら疾病がかかるおそれのある水産動物を我が国へ輸入するためには、水産資源保護法に基づく農林水産大臣の輸入許可が必要です。

輸入者は、水産動物の日本到着５日前までに、《輸入許可申請書》及び輸出国政府機関発行の《検査証明書》を、輸入空海港を管轄する動物検疫所に提出しなければなりません。

水産防疫専門家会議において行ったリスク評価結果を踏まえ、輸入検疫の対象となる疾病及び動物が追加され、平成28年7月27日からは、以下の水産動物を輸入する場合は、水産資源保護法に基づく農林水産大臣の輸入許可が必要となります。

申請のあった水産動物及びその容器包装が、輸入防疫対象疾病を広げるおそれがないとは認められない場合、輸入許可に当たり、農林水産大臣は、水産資源保護法施行規則で定められた以下の期間、管理すべきことを命ずる場合があります。

管理する施設については、病原体を広げるおそれがなく、適切に管理できることを動物検疫所が事前に確認する必要があります。

※ここでは観賞魚について抜粋します。
※我が国への輸入にあたり、許可が必要な水産動物と、対象となる輸入防疫対象疾病は、次の表のとおりです。

参考：農林水産省ホームページ

生きている観賞魚にとって、航空輸送は非常にストレスのかかる環境です。

ストレスで死んでしまう個体も少なくありません。

そのため、いかにストレスを与えず、死亡率を下げるかが重要になります。

梱包を工夫することで死亡率を下げることができます。

• 透明な袋（通称パッキング袋）に飼育水と酸素を入れてパッキング。
• 観賞魚の種類ごとに袋を分ける。
• 発砲スチロールを使用して温度変化に対応する。
• 発泡スチロールを厚手のビニール袋で覆う。
  ダメージによる水漏れを防ぐため。
• 発送すると決まった魚には「餌切り」をする（糞をさせないようにして水質悪化を防ぎます）

以上のことを気をつけて梱包しましょう。

上記の書類をもとに《輸入申告書》を作成し、必要書類を添付して税関に申告します。

審査が終了し輸入関税・消費税を納税すると輸入許可となり貨物を引き取ることができます。