生鮮まぐろの輸入方法

マグロの像

※このページはまぐろの輸入にチャレンジしている方々に最適のページです。

日本人がまぐろ(鮪)を食べ始めたのは、貝塚ができた時代=縄文時代のことでした。

1万6000±100年前と考えられています。

今や高級品の代名詞・大トロに至っては、評価が定まったのはなんと1960年代、ごくごく最近のことです。

2019年世界のまぐろの漁獲量は一位インドネシア(374,669トン)、日本は二位(183,268トン)、世界から日本へ輸入量約221,210トン。

合わせて、世界で生産されるまぐろのおよそ4分の1を日本人が消費しています。

ここでは、まぐろ巨大市場である日本への生鮮まぐろ輸入方法(航空輸送を想定)について解説します。

※冷凍まぐろは輸入方法が変わりますのでご注意ください。

 1.輸入生鮮まぐろの種類・産地 

日本には下記のような種類の生鮮まぐろが輸入されています。

種類によっては税関への申告時に《漁獲証明書》を提出しなければならないものもあり、証明書が無い場合、日本へ輸入することは出来ません。

魚種 主な輸出国 漁獲
証明書
きはだまぐろ インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド 等
めばちまぐろ インドネシア、オーストラリア、ニュージーランド 等
みなみまぐろ オーストラリア、ニュージーランド 等 必要
大西洋くろまぐろ ヨーロッパ 等 必要
太平洋くろまぐろ オーストラリア、ニュージーランド 等 必要
かじき オーストラリア、ニュージーランド 等
めかじき オーストラリア、ニュージーランド 等 必要

《漁獲証明書》は輸出者が用意します。
この書類を用意できない輸出者からは、まぐろを買い付けることは出来ません。

 2.まぐろの輸入方式 

まぐろの輸入方式として「買取」方式と「委託」方式があります。

それぞれメリットとデメリットがあります。

✍2-1.買取方式

輸出者と輸入者が商品を輸入する前に価格について取り決めを行い、双方で同意した価格を決済する方法です。

■メリット

  • 商品を輸入する前に価格が確定しているので、事前に既存顧客への販売計画は立てやすい。
  • 安定供給に優れている。

■デメリット

  • 輸出者への支払いサイトによっては、高額な買付資金が必要になる。
    ※前金の場合、まぐろが出荷されず資金を持ち逃げされるリスクが発生する。
  • 市況によっては赤字になってしまうことがある。

✍2-2.委託方式

輸出者が輸入者に対して日本国内における自社商品の販売を委託し、輸入者が輸出者に代わり商品を日本全国の市場等で競りにかけて販売する方法です。

税関に対しては「輸入許可前承認申請」と「輸入申告」の2回のアクションが発生します。

■メリット

  • 関税消費税を支払う前に流通させることができる。
  • 販売した後に海外送金できるので、買付資金が不要。
  • 高く売ることができればその分手数料を多く手に入れられるので、目利きの技術を生かせる。
  • 市場での販売になるため、在庫リスクを持たないですむ。

■デメリット

  • 税関に担保提供(※1)が必要。
  • 税関への申請・申告が最低2回必要。
  • 輸出者からの信用がないと、商品を売らせてもらえない。
    ※輸出者は確実に販売利益を送金してもらわないと損害が出てしまう。
  • 市況の影響で安値が続いてしまうと、商品を売らせてもらえなくなる。
    ※輸出者は高く売れる輸入者・国で商品を売りたいため。

※1 担保提供について

上記の通り輸入許可前(税額が未確定)の状態で商品を国内で流通させるためには予め税関に対して担保の提供が必要です。

税関へ提供する担保の種類は銀行の保証書又は法務局の供託書があります。

供託書の取得方法はこちら

 3.輸入通関「食品等輸入届出」 

まぐろは食品ですので、厚労省の食品監視課に「食品等輸入届出」の申請が必要となります。

食品等輸入届出は「買取」と「委託」共通で必要な届け出になります。

✍食品等輸入届出の申請に必要な書類

書類名 書類作成者等
原材料表 製造工場が作成(※)。加工品の場合に必要。
製造工程表 製造工場が作成(※)。加工品の場合に必要。
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。

※製造工程表及び原材料表は、ラウンド(未加工品)、セミドレス(内蔵のみ除去)の場合は必要ありません。

※現地工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。

書類の修正などが発生した場合、現地工場に修正を求めるよりも、輸入者自身で作成したほうがスムーズに進む場合があります。

✍申請の流れ

上記の書類をもとに《食品等輸入届出書》を作成し、食品監視課に申請をします。

※加工品の場合は初回自主検査が必要な場合もあります。ラウンド(未加工品)、セミドレス(内蔵のみ除去)では自主検査は不要です。

審査に合格すると《食品等輸入届出済証》が発行されます。

食品等輸入届出はこれで完了です。

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 4.輸入通関「税関申告」 

✍HSコード・関税 ※2022年4月

❏生鮮きはだまぐろ:0302.32-000関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮めばちまぐろ:0302.34-000関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮みなみまぐろ:0302.36-000関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮大西洋くろまぐろ:0302.35-010関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮太平洋くろまぐろ:0302.35-020関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮かじき:0302.49-220関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

❏生鮮めかじき:0302.47-000関税率▼

*1:ASEAN・豪州・ニュージーランド

✍4-1.買取方式における税関申告

買取方式の税関申告について解説します。

❏輸入に必要な書類

一連の手続きに必要な書類は次のとおりです。

書類名 書類作成者等
原材料表 製造工場が作成。(※)加工品の場合に必要。
製造工程表 製造工場が作成。(※)加工品の場合に必要。
インボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
漁獲証明書 証明書が必要な魚種を輸入する場合。輸出者が用意。
AIR WAYBILL(AWB) 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。
食品等輸入届出済証 日本の厚労省食品監視課が発行。

※製造工程表及び原材料表は、ラウンド(未加工品)、セミドレス(内蔵のみ除去)の場合は必要ありません。

※現地工場の情報を元に輸入者が作成しても良いです。

上記の書類をもとに《輸入申告書》を作成し、必要書類を添付して税関に申告します。

審査が終了し輸入関税・消費税を納税すると輸入許可となり貨物を引き取ることができます。

次に委託方式について解説します。

✍4-2.委託方式における税関申告

委託方式の税関申告について解説します。

委託方式の場合は、『輸入許可前承認申請(BP申請)』と『輸入申告(IBP申告)』が必要になります。

✍税関への輸入許可前承認申請(BP申請)

輸入許可前承認申請に必要な書類は次のとおりです。

書類名 書類作成者等
輸入貨物の評価申告書 輸入者又は通関会社が作成
プロフォーマインボイス 輸出者が作成。
パッキングリスト 輸出者が作成。
漁獲証明書 証明書が必要な魚種を輸入する場合。輸出者が用意。
AIR WAYBILL(AWB) 航空輸送の場合、海外フォワダーが発行。
食品等輸入届出済証 日本の厚労省食品監視課が発行。

《輸入許可前引取承認申請書類》を作成し、税関に承認を求めます。

税関は他法令(食品等輸入届出)、申請内容とインボイス等の整合性、担保金額を審査します。

審査に合格すると《輸入許可前引取承認申請通知書》が発行され、輸入通関前に商品を流通させることが出来ます。

❏輸入貨物の評価申告書について

評価申告とは、申告書に添付される仕入書等のみでは課税価格の計算の基礎が明らかでない場合に、当該課税価格の計算に必要な事項を申告するものです。

評価申告は、通常、《評価申告書》を提出することにより行います。

評価申告には「個別評価」と「包括評価」があります。

参考:評価申告制度の概要

◯個別評価

前述の通り税額が未確定状態で商品を国内で流通させる場合には輸入の都度、評価申告を行います。

必要事項を記載した評価申告書とPROFORMA INVOICEを税関に提出し、税関は記載された金額が適正であるか否かを確認します。

税関はその金額に応じて妥当な倍率(1.2倍~2.0倍)を設定し輸入許可前承認申請(BP申請)時にその指示された倍率を乗じて申告します。

◯包括評価

上記の個別申告とは別に、個々の納税申告に先立って包括的に行う包括申告があります。

包括申告は、同一の内容の輸入取引が継続して行われる場合、納税申告に先立って、課税価格の計算方法を記載した申告書(包括申告書)を提出すれば、その適用期間内(包括申告書に記載された期間。最長2年間)は、個々の納税申告の際の評価申告を省略することができます。

包括評価を受けるためには過去に委託契約で輸入申告した際の一式の書類が必要です。

  • 輸入許可前貨物引取承認通知書
  • 輸入許可書
  • プロフォーマインボイス
  • 委託売買契約書
  • 国内販売価格が記載された書類
  • 国内諸費用を記載した書類
  • 評価申告書

✍税関への輸入申告(IBP申告)

輸入申告に必要な書類は次のとおりです。

書類名 書類作成者等
委託売買契約書 輸出者と輸入者が合意したもの
ファイナルインボイス 輸入者からの情報をもとに輸出者が作成

ファイナルインボイスの金額は、市場等での販売価格から日本でかかった諸経費を除いた金額になります。

この金額が申告価格となり、輸出者への送金額になります。

ファイナルインボイスをもとに《輸入申告書》を作成し、必要書類を添付して税関に申告します。

税関が書類の審査を行い問題が無ければ、関税・消費税を納税した後に輸入許可となります。

輸入許可になると、担保金額が回復し、次の輸入許可前貨物引取承認申請に使用することが出来ます。

※担保金額が足りなくなると通関ができなくなりますので、溜め込まずに随時輸入処理をしましょう。

❏委託売買契約書について

輸出者と輸入者が委託販売について双方で合意した契約書です。

契約書には、一般的な条項に加え、控除項目が必須になります。

◯控除項目(日本国内で発生した費用すべて)
  • 輸入通関諸掛費用
  • 運送料:空港→日本全国の卸売市場等
  • 市場諸経費
  • 通信費(海外送金手数料)
  • 関税、消費税
  • 輸入者販売手数料〇〇%
    etc…

※「販売額から上記を除いた金額を輸出者へ支払う」という内容の契約書になります。

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 5.国内流通について 

生鮮まぐろは鮮度が重要です。

単価も高いので、国内流通で鮮度を落としてしまうと大きな損失に繋がります。

空港から日本全国の卸売市場へスピーディーに配送するためには、専門の運送会社(市場便)の存在が不可欠です。

航空集配サービス株式会社

永井株式会社

※アクセス・ジャパンからご紹介することも可能です。

 6.まとめ 

生鮮まぐろを輸入する場合には種類により証明書が必要であったり、場合によっては担保を提供する必要があるので少々手続きが面倒に感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

弊社では細かい部分までサポートさせていただきます。

また、アクセス・ジャパンは成田空港で365日年中無休で営業しております。

お急ぎの生鮮品を空港で止めることなく通関出来ますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

進め方に不安や不明点がある方は国際物流コンサルティングサービスをご検討ください。

アクセス・ジャパンではその不安を一緒に解消しつつ、輸入貿易を成功に導くノウハウをお伝えします。

まずは無料のヒアリングから行いますのでお気軽にご相談ください。

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